【学群卒業生より】


 

「当たり前を疑う目を養う」

 

 中学から取り組んできた陸上競技以外のことに、興味・関心がなかった私にとって、体育・スポーツ経営学の授業は新鮮で刺激的でした。「経営学」と聞くと何か難しそうな気がしていましたが、「仕組みづくり」と考えるとシンプルで分かりやすいと思います。

 「仕組みづくり」を考えるにあたって、講義やゼミの際に「批判的に物事をみること」が大切であることを痛感しましたが、この研究室に入るまで私は「批判的」の本来の意味を知らず、批判的に物事をみることができている気分になっていただけだと痛感しました。

 批判的に物事をみることとは、物事に対して辛口のコメントを言ったり、否定的な意見を持つことではなく、「よくも悪くも疑いの目を持って自分の当たり前を疑うこと」であり、なかなか簡単にできることではないと思います。というのも、私自身、この研究室に入るまでは自分の価値観でしか物事を見ずに生きてきたからです。「スポーツをしているのだから、他のこと(遊びや恋愛、おしゃれなど)は必要ないし、スポーツをやるからには上を目指すべき。なので〇〇部があるのに、〇〇サークルに所属する人はなんのために活動しているのだろう」と本気で思っていたくらいです…。

 まだまだ自分の凝り固まった価値観で物事を見ている部分も多くあると思いますが、この2年で自分の周りの物事の捉え方や解像度が上がったと感じますし、自分自身のことも様々な角度からみることができるようになり、生きやすくなったと感じています。

 私が少しだけ批判的に物事を見られるようになり、少しだけ生きやすくなったのは、体育・スポーツ経営学という学問に出会ったことというよりは、この学問を通して個性豊かな先生方、先輩方、同期と出会うことが出来たからです。この研究室の一番の魅力は、研究できる内容や物理的な環境ではなく、人的環境にあると思います。研究だけでなく、ソファーでおしゃべりしたり、ご飯を食べに行ったり、バドミントンをしたり、カラオケをしたり、研究室でさつまいもの炊き込みご飯を作ったり…。笑

 部活一色で終わるかもしれなかった私の大学生活を異なる色で、色付けてくれたのは間違いなく研究室の方たちとの活動です。研究したいことが具体的にある人もない人も、一度研究室に足を運んでみてはいかがでしょうか…?!

(2023年度 学群卒業生 平岩志萌)

【在籍中の大学院生より】


 

「一人の研究はみんなの研究」

 

 修士までを別の大学で過ごしてきた私にとって、博士後期課程から新たな大学の研究室へ進学することはとてもチャレンジングな選択でした。しかし、この研究室は他大学から進学してくる方も多く、経験やバックボーンの異なる多様な人が入り乱れています。学群生も修士の学生も博士の学生も、そして先生までもが分け隔てなく、共に議論しあえる空間がとても心地よいです。持っている知識や経験に差はあれど、純粋で素朴な疑問や問題意識を尊重し、そして共感してくれる研究室の仲間は、私の人生にとって大きな財産となっています。

 院生それぞれが関心をもって進めていく修士論文や博士論文についても、他の院生が自分の研究かのように一緒になって「あーでもないこーでもない」と悩んでくれます。1人で考えていては路頭に迷ってしまうような時も、コーヒーやお酒を飲み交わしながら院生同士で話していると、突然ストンと納得のいく道が開けたりします。きっと、この研究室に来るまでには考えたこともなかった気付きをたくさん得られると思います。

 私たちと共に学びたいと思ってくれる方がここに集ってくださることを願っています。

(博士後期課程3年 伊藤まこと)